『星守る犬』
今回は『星守る犬』を紹介します。2011年6月11日、全国317スクリーンで公開され、初日2日間で興行収入1億4,408万2,600円、動員11万9,297人を記録、観客動員ランキングで初登場第6位になりました。また、初日満足度ランキングでも第2位になるなど、好評価されています。
ストーリーは、夏の北海道、とある山中に放置されたワゴン車から、身元不明の中年男性と犬の遺体が発見されるところから始まります。遺体の処理を請け負った市役所の福祉課に勤める奥津京介は、この男性と犬の関係に興味を持ち、休暇を取って東京までやって来ます。そして、ひょんなことから出会った少女・有希と一緒に、男性の物と思われるレシートを頼りに、北海道までの道程を辿る旅に出るのですが…。中年男性は西田敏行、奥津京介は玉山鉄二、有希は川島海荷が演じています。
ロマンチックなタイトルと出演者にひかれて観始めたので、想像とはまったく違う内容に最初は戸惑いました。タイトルともなっている『星守る犬』は、「犬がもの欲しそうに星を見続けている姿から、手に入らないものを求める人のことを指す」という意味の言葉だと劇中で説明されています。主人公の中年男性が『星守る犬』だったのか、と問われれば、そうともいえますが、彼の末路は決して他人事ではない気がしました。
東京から北海道まで、奥津たちは太平洋側を北上します。ロケ地には、東日本大震災をまるで予想していたかのように被災地が多く登場します。被害を受ける前の風景が映像として残されているという点でも、この映画の存在は貴重だと思います。動物が出る映画イコール感動作という安直な方程式を覆す、切なさと悲しさが残る映画です。人生についてジックリ考えてみたい人にオススメします(^^)