坪木の【新】教育論②:成長の意味とその原則②

成長には2つの原則があります。

1つは、「成長が比例的には進まない」ということです。身長や体重も、年々1cmずつ伸びたり、1㎏ずつ増えたりすることはありません。ところが成長期には、年に10㎝以上伸びたりします。能力の成長も同じです。毎日、100mを10本ずつ走ったからといって、毎日記録が0.01秒ずつ伸びることはありません。なかなか記録が伸びない時期を、それでも諦めずに努力を続けたある日、突然記録が伸びたりします。その瞬間をブレイクポイントと呼ぶのですが、このブレイクポイントは努力を続ける者には必ずやってきます。ただやっかいなのは、いつそれが訪れるかが誰にも分からないことです。そのため、多くの人が途中で諦めてしまいます。諦めた人には永遠にブレイクポイントはやってきません。我々大人は、子どもたちが途中で諦めないように励まし、力になってあげる必要があります。

もう1つの原則は、「成長は自分の意志と行動でしか実現できない」ということです。お母さんは栄養たっぷりな食事を用意することはできます。しかし、それを体内に取り込むのは本人の意思と行動です。子どもを馬にたとえるのは躊躇しますが、「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」という格言があるとおりです。そこには本人の意思と行動が必要です。

体育の教師がどれだけ熱心に指導しても、本人の熱意と努力がなければ逆上がりができるようにはなりません。

学力も同じです。我々指導者が無理に知識を詰め込もうとしても、生徒にその気がなければ取得はできません。我々大人が「子どもの成長を促す」と言った場合、それは強制することではなく、いかに生徒本人が自ら行動するようになるかを考え、実行することです。

塾という現場は、学力の面で子供たちの成長を促すことを目的としています。そのために様々な試行錯誤を繰り返し、様々な工夫が施されてきました。その結果、今では様々な指導形態の塾が存在しています。