坪木の【新】教育論⑤: 自立学習指導の登場と意義

そこで近年注目を浴びているのが、自立学習指導塾です。この形態を選択しているのは、中小・個人塾がほとんどです。大手やFC塾には難しい指導形態なのです。

自立学習指導塾は、集団指導塾並みの「学習時間確保」と、個別指導塾並みの「個別対応」を両立した指導法です。

まず、1人ひとりの生徒に対するカリキュラム・教材・深度・進度等は、プロである塾長(教室長)が行います。無理と無駄を最大限省いた設定を行い、必要に応じて修正を加えていきます。生徒は、その指示に従って自立的に学習を進めていきます。教師一人で生徒10人~20人を指導(管理)できますので、学習時間を十分に確保しても高額の授業料にはなりません。5科目指導も可能です。

指導者に求められるのは、適切なカリキュラムの策定と、生徒のモチベーションを保つスキルです。これは、入社2~3年目の若手教師、あるいは異業種から参入したFC塾オーナーには不可能です。長い経験と実績から紡ぎだされた職人技を必要とします。自立学習指導塾が大手塾やFC塾には不可能だと前述した理由がココにあります。

近年では個別学習用のデータベース教材・映像教材や、生徒のモチベーションアップのためのコーチング・リーチング・アクティブラーニング等のスキルも進化し、熱心な塾人が学びを続けています。そうしたスキルを身に着けた塾人がいる自立学習指導塾は、正に究極の「理想の塾」と言えると思います。私が自立学習指導塾を選択しているのは、この学習法(指導法)が生徒の成績(学力)向上に最も適していると確信しているからです。

もともと勉強に限らず、人の能力とは自らの力でなければ伸ばすことが出来ないものです。目の前に松井選手がやってきて、「ほら、こうやって打てばホームランになるよ」と見本を見せてくれても、それだけでホームランを打てるようにはなりません。自らが手に血豆を作るくらいバットを振り、基礎体力を付け、長い訓練の先にホームランは存在します。勉強でも同じです。いくら優秀な教師が教壇で(集団指導)、隣で(個別指導)鮮やかに問題を解いてくれても、それを見ているだけでは意味がないのです。

言ってみれば、指導形態は様々でも、最後は生徒自身の自立学習に委ねられているのです。生徒を馬に例えるのは不謹慎ですが、(第一部でも述べましたが)「馬を水辺に連れて行くことはできるが、馬に水を飲ませることはできない」という格言があるように、勉強に関わらず、人の成長は「最後は自分の意志・行為に掛かっている」のです。

自立学習指導とは、生徒の自主性・自立性を育てるために最も適した塾の形だと私は考えています。