坪木の【新】教育論⑧:あとがきに替えて-塾人としての私の理想-

私は教育界の端くれに立つ者として、一人の理想像があります。松下村塾の指導者、吉田松陰です。吉田松陰という名前は教科書にも載っていますし、日本人なら誰もが知っている歴史上の人物です。しかし冷静に見れば、彼自身が何かを成し遂げたということは一つもありません。それどころか、「当時の法に背いて密航を企て投獄され、その後も幕府転覆を謀り29歳で処刑された罪人」です。そんな松陰が後世、なぜ歴史上の偉人になったのでしょう。

それはひとえに、彼の教え子の中から綺羅星のごとく歴史上の偉人が輩出されたからです。久坂玄瑞・高杉晋作等の幕末の志士、幕末を生き延びた伊藤博文山縣有朋品川弥二郎等、明治の元勲たち…そうした弟子たちの業績の上に、彼らの指導者として名前が残ったのです。

自分の事績ではなく教え子たちの事績によって評価される…私はそんな教育者こそ理想と考えています。この場所、高志アカデミーから将来の日本のリーダーが何人も誕生することを夢見て、今日も指導の現場に立ちます。